なぜ出かけたり人と会うことが対策になるの?
認知症の予防にあたって、運動や食事と並んで、社会参加にも注目が集まっています。2012年の厚生労働科学研究班(研究代表者:近藤克則氏)の調査によれば、スポーツ関係・ボランティア・趣味関係のグループ等への参加の割合が高い地域ほど、転倒や認知症、鬱のリスクが低い傾向が見られると報告しています。
定年退職してからの引きこもりはリスクがあります
定年退職を迎えて、あるいは仕事から離れて、ふと気つくと、1日中家でテレビを見て過ごしている。人と話すのは、スーパーのレジでの会話だけ。ふと気づくと、最近、急に物忘れが気になってきた。昔に比べて地域での人間関係が希薄になってきた現代では、無意識的にこうした状況になってしまうことが多々あります。社会的接触の乏しい生活は認知機能が下がりやすく、軽度認知障害のリスクが上がります。
うつ病が認知症の引き金に、早めに病院へ相談を。
「人と会話するのも億劫になってきた」「気分が晴れず落ち込む」、こうした状態が続いている場合は、うつ病を疑ってもいいかもしれません。うつ病が認知症のリスクを高めることはかねてから言われており、早めに精神神経科を受診しましょう。うつ病かどうかは自分で判断できません、周りの人が気づいて、病院での診察をすすめられたら、まず病院に相談に行ってみましょう。また、後期高齢期になってから、新しい社会活動に参加すると、逆に抑うつ傾向を高めるという研究もあります。むやみに新しい活動に参加してストレスを溜めるのではなく、自分がストレスなく楽しめることが何より大切です。