生活習慣の見直し
禁煙は強くお勧めします。
睡眠の質を上げる
生活リズムをつくりましょう。
なぜ生活習慣の見直しが対策になるの?
認知症にならないために、生活習慣の中から危険因子を少しでも減らしていきましょう。生活習慣の中でも、「食事&栄養補給」「運動」「出かける、人と会う」については別のページで詳しく解説していますので、ここでは「喫煙」「睡眠」「カフェイン・アルコール」についてアドバイスしていきます。
喫煙は百害あって一利なし。
喫煙が認知症のリスクを高める、というのは医学界での見解となっています。海外・国内で様々な研究・調査が行われていますが、喫煙者は非喫煙者に比べて1.5倍~2倍も認知症になりやすいことがわかってきています。また、喫煙は糖尿病や高脂血症といった生活習慣病と関りが深く、そして生活習慣病は認知症のリスクを高めるのです。喫煙は百害あって一利なしです。
睡眠が不安定になると、脳のメンテナンスも不安定に
睡眠時に、脳は老廃物を排泄しています。アルツハイマー型認知症の原因ともいわれるアミロイドβなども老廃物の一つ。慢性的な睡眠不足になると、睡眠時の老廃物の排泄が出来ず、アミロイドβの蓄積が促進されます。2013年にワシントン大学が発表した論文によると、睡眠が不安定(入眠障害、中途覚醒など)な人は、安定して睡眠がとれる人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍あると報告しています。また、睡眠不足は高血圧になりやすく、さらにインスリンの働きを低下させるために糖尿病にもなりやすいと言われています。これらの生活習慣病は、やはり認知症のリスクを高めます。
具体的に何をすればいいの?
禁煙は1日でも早く。中高年からでも効果アリ。
禁煙するのに遅すぎることはありません、年齢に関係なく、1日でも早く禁煙することが認知症やがんを始めとする病気のリスクを軽減することにつながります。長年の習慣で、もう自力で禁煙が難しいという方は、禁煙外来に行ってみましょう。2006年から、一定の条件を満たせば健康保険を使って禁煙治療を受けることができるようになっています。また、地方自治体によっては、禁煙外来の治療費助成を行っている市区町村もあります。つまり、地方自治体も住民の健康寿命を伸ばすにあたって、禁煙支援に力を入れているわけです。禁煙しようと思いながらも、吸い続けている方は、ぜひ、禁煙外来で専門家の力を借りて禁煙を成功させましょう。
加齢で睡眠は短くなるのは自然なこと。生活リズムを大切に。
若いころに比べて長く寝られなくなった、早寝早起きで、眠っている途中でもちょっとした物音で目が覚めるようになった。これらは、年齢によって睡眠の変化で、病気ではありません。睡眠時間が6時間以上とれており、日中に強い眠気がこなければ心配はいりません。起きている時間の生活習慣を見直すことで、よりよい睡眠を得られるコツをご紹介します。
まずは寝る前の入浴は避けましょう。睡眠の前は深部体温がだんだんと下がり体が寝る準備をしていますが、「疲れをとるための熱い風呂」はかえって寝つきを悪くさせてしまいます。床につく2時間前までに入浴するか、寝る直前の場合はぬるめの風呂にしましょう。
また、「寝酒」「カフェイン」も要注意です。アルコールが入ると眠くなりますが、睡眠のリズムが崩れ眠りが浅くなり、また利尿作用もあるため夜中にトイレに起きることになります。また、カフェインも覚醒作用があります。何となく空腹で眠りにくい場合は、カフェインレスのコーヒ-や紅茶、温めた牛乳などで代用しましょう。
起床後は、たっぷりと日光を浴びましょう。できれば散歩などの軽い運動もいいですね。起床時間を決め、日中の軽い運動を日課にすることで、質の良い睡眠をとる生活リズムがつくれるように、今日から意識してみましょう。